最近以前よりテレビを見なくなったという意見をよく耳にします。私もそうです。中には全く見なくなったという話も聞きます。そして、私を含めたテレビ離れを起こしている方達の言い分はこうです。テレビから得られる情報や刺激がネットなど他の媒体と比べて少ない(不信感を感じている方もいますね)、別のことに時間を使ったほうが良いのではないか、といったところではないでしょうか。
先日まで開催していたワールドカップ、深夜遅くの放映で普段なら眠る時間にも関わらず、リアルタイムで見たという方が多いのは、その時間に眠るという価値以上のものを見出しているからでしょう。眠る時間を工夫して前後にずらしたという方も、ずらした時間に普段やっていることよりも価値があると思っているに違いありません。そういう意味では、ビデオにとって見たという方も同じですね。本来その時間にやるはずであった何かよりも価値があると思っているからです。
結局はテレビ離れという現象は、価値観の違いなのです。テレビに何らかの価値を見いだせれば、例えテレビを見る暇がなかったとしても、工夫して時間を創りだすはずなのです。
ここで私が問題だと思うのは、テレビ=時間のムダと短絡的に反応してしまう自分の考え方です。時間というものは、本来その方にとって価値のあるものに費やすべきなのです。お金がより欲しい方は、お金を稼ぐことに時間を費やすべきですし、心にゆとりが欲しい方は、お笑い番組を見るべきかもしれません。人の価値観というものは、たいてい複雑でひとことで説明するのは難しいものなのです。台所が片付いていない、部屋の掃除が行き届いていない、でもテレビを見てしまう、これは一般的にはだらしがないことですが、人に迷惑をかけていなければ肯定すべきかもしれません。ただテレビを見終わった後に台所や部屋を見て落胆してしまうのなら、私が思っているように時間のムダだったのかもしれませんけどね。
結局私は、時間の使い方を効率化するメリットとは何か?という疑問にいつも辿り着くのです。この疑問は、今まで生きてきて何度も何度も考えた問題です。もはや私の人生の一部といってもいいかもしれません。
現時点での私の答えは、「好きなことに浪費できるから」です。ここで言う浪費とは第三者が見てそう思うだけであって、本人にとってすれば価値あること(≠浪費)なのです。もう少し詳しくすると「自分にとって価値あることに贅沢に時間を使うために、生活する上でやるべきことに当てる時間を効率的に使う」という答えになります。そして自分にとって価値あることを人生をかけて探し出すべきなのです。
ただこの答えの字面だけ捉えると「浪費するために節約する」という極めて矛盾した答えになります。まだまだ修行が足りないのかもしれませんね。ただスーパーや家電屋で1円でも安く商品を買う方が、自分の趣味には人よりも良い道具を揃えるのを見かけると、あながち間違いでもないのかなあと思っています。
2010/07/23
テレビを見ることは果たして時間のムダなのか?
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